釉薬の本(9)
天目bis
私が主催する釉薬研修の時、Stephan Murffit の釉薬の本「L’Art des glaçures」の中から、生徒に3色づつ釉薬を選んでもらって、調合の練習をするのですが、日本人生徒は必ず「黒」をひとつ選びます。他の生徒たちは絶対「黒」を選びません。これはパリ陶芸教室の七不思議のひとつで、他の6つの不思議はおいおい書き綴ります。
マチスがかつて「黒はカラーである」と明言せざるを得なかった様に、欧州では今でも黒に対する認識が薄いように思います。私たちは、書や墨絵、那智黒、天目、黒楽、引き出し黒……と「黒」に対する想いがとても深く、日本人生徒たちは、自分好みの黒い釉薬を作ってみたいのです。
Superposé重ね掛けでも楽しめます。
TENMOKU
x Dolomie Blanc = こげ茶色に発色(au fond à gauche/後方左)
x Zirconium Blanc = こげ茶に白い斑点(au fond au millieu/後方中央)
x Jade = 天目の良さを残した二重掛けになる(au fond à droite/後方右)
x Blanc Titan = ブルーグレイの流れ(devant à gauche/手前右)
x Lagoon =天目の良さを残した2重掛けになる(devant à droite/手前左)