
釉薬の本(13)
10. 竹釉 / Bambou
Feldspath potassique 42% /カリ長石
Kaolin 8% /カオリン
Carbonatte de chaux 19% /石灰
Quartz 31% /珪石
+ 2% Oxyde de fer /酸化鉄
+ 3% Bioxyde de titan /二酸化チタン
黄瀬戸を作るために、石灰透明釉に2%程度の酸化鉄を混ぜていたのですが、薄茶の透明釉は、あまり人気がないので、さらに、チタンを混ぜて表情の出る薄茶色の釉薬を作りました。黄瀬戸を約すと「黄色い瀬戸」となり、何のことやらわからないので、所々チタンの結晶が浮き出るところから、「竹釉」と名付けました。ところがここでも日仏の感覚の差が発覚、フランス人にとって「竹」は青竹で「グリーンではないの?」と聞かれてびっくりしました。私たちは茶っぽい竹製品に囲まれていて、青竹は清々しいとか若いとかの特別のものという概念があったので、ギャップを感じた次第です。
同じく、日本には石灰透明釉に5%程の酸化鉄(または7%弁柄)を加えた「飴釉」がありますが、直訳して「ボンボン」にするとカラフルな色を思い浮かべるらしく、飴釉の光沢のある深いこげ茶には程遠いことがわかりました。それで我がパリ陶芸教室では飴釉を「Marron」栗と呼んでいます。
チタンの作用で、重ね掛けした時、いろいろな変化が現れ面白いです。
重掛けバリエーション
右/ 竹釉/ Bambou (droite)
左/竹釉+ドロミーチタン緑釉 / Bambou+Titan et dolomie vert(gauche)
後ろ/竹釉+ドロミーチタン青釉 / Bmbou+Titan et Dolomie Bleu(derrière)
手前/竹釉+ジルコニウム白釉 / Bambou+Email blanc zirconium(devant)