
釉薬の本(15)
11. 濃紺釉 / Bleu Foncé
Feldspath potassique 60% /カリ長石
Dolomie 20%/ドロマイト
Kaolin 8% /カオリン
Quartz 12% /珪石
+ 3% Oxyde de cobalt/酸化コバルト
+ 3% Rutil/ルチル
釉薬のバリエーションの中で青系統色は必須のものです。陶芸教室初期のころは、フランスに昔からあるセーブルブルーに近い濃いブルーを使っていました。これは、透明釉に3%酸化コバルトと1%の酸化鉄を加えた平坦なもので、白土にはきれいに表現でき、失敗も少なく生徒たちに好評でした。
青、特に紺は好きな色で、昔、中学の数学の担任教師から「青は藍より出でて藍より青し...私を超えて大きくなりなさい」と教えられたのをいつも思いだします。
ムラのある紺色を作りたくて、セーブルブルーにルチルを少し加えてみたところ、夜空の銀河のような模様が現れました。
この釉薬は厚め(2回)に掛けると白っぽい斑点が流れるように現れ、薄く(1回)だと濃紺色になり、趣のある釉薬が出来上がり、ただ、流れやすいのが難点です。