Le Vent / Kazé /wind

 

 

風シリーズ「ヌワールブラン」に雲母銀彩を上絵付してみました。

 

風が見えるように変化を付けたいのですが、失敗です。

 

風シリーズ「ノワールブラン」に金継ぎの技法で銀のラインを足してみました。

吹き流しのような雰囲気で、少し気に入っています。

私はミニマリストではないのですが、「装飾を出来るだけ排除しながら表現したい」と思っています。何と言うか、マイナス思考です。フランスに来て多くの美術館やお城で、これでもかというくらいの装飾を見てきましたが、私には圧倒されるだけで、どうしても受け入れられないものがありました。彫刻から陶芸に移って、特に日本の陶芸に新しく触れた時、とても新鮮で心に響くものがありました。多分日本人の遺伝子DNAの問題の様に思えます。

反対にフランス人を観察していると、ZENとかWabiSabiとかミニマリストとか、日本人のDNAの本質に迫ろうとしている人たちがたくさんいます。私がフランス文化にモヤモヤを感じるように、彼らはこういうものなのだと頭の中で捉えて、これは素晴らしいものだと言い聞かせながら実践しているようで、何かの拍子にゴテゴテの装飾に触れて、ほっとしているのが解る時があります。お互い様ですね。

ただ、パリ陶芸教室の生徒たちのオリジン(国籍は皆二重国籍でフランス人ですが、出身国や両親の出身国など)は現在14カ国に渡ります。先生たち講師陣は生徒一人一人の個性に向き合って指導しています。ところがインターナショナルな土壌のパリでは、各々皆な違うのがごく普通のことで、陶芸の技術習得に集約して生徒も先生も仲良く邁進しているわけです。私がフランスで生きていてよかったなあと感謝するのは、こう言うフランスの開かれた人たちと交流できるからです。